出入口の扉に近よった。
リント少将は、この中に取り残されてはたいへんと、沖島のあとを追って、彼の腰にだきつかんばかりである。
「リント少将閣下。日本人は、あくまで紳士的ですから、どうぞ御心配なく」
そういって、彼は、扉を、がらがらとあけた。外から、さっと、まぶしい光線が、はいってきた。
「さあ、少将閣下から、お先にお出《い》でください。この中に、あなたを閉じこめるようなペテンはいたしませんよ」
リント少将は、いわれるまでもなく、まっ先に、戦車の外にとび出した。彼は、そこで、さっそく部下をよびあつめ、このらんぼうきわまる黄いろい幽霊を、とりおさえさせるつもりだった。
だが、それは、少将の思いどおりには、いかなかった。
「あっ、ここは……」
リント少将は、そういって、呆然《ぼうぜん》と氷上にたって、あたりを眺めまわした。
あたりは、彼の部隊が屯《たむ》ろしているところとは、ちがう。まず、氷山のうえに、ひらひらとひるがえる日章旗が、リント少将をその場に、すくませてしまった。
「どうです、お分りですか。ここが、どこであるか」
「うむ」
「お分りのはずですが、私が、説明しましょうか。
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