やっていることは決して無駄じゃないと思っている。なにしろ今まで手懸りと見えたものが、みんな崩壊しちまったんだ。この上は、すこしでも腑に落ちない点を掘り下げていくより方法はないと思うね」
検事は、間接に帆村が今とっている捜査方針を是認した。
「そうでしょうかねえ。だが、あの空き缶が犯行に一体どんな役目を持つと考えられますか。土居三津子の証言によると、あの缶詰はあけない先から、からっぽ同様に軽かったそうですね。しからば、あの中に入っていた内容物が、鶴彌の胃袋に入って中毒を起したとは考えられない」
「胃袋に入ったとは考えられない。しかし肺臓に入ったとは考えられなくもない」
「肺臓というと……肺臓になにが入るのですか」
「瓦斯体がね。つまり毒瓦斯だ。この缶詰の中に毒瓦斯がつめてあったとすれば、そんなことになるはずじゃないか」
「毒瓦斯がこの缶詰の中につめてあったというんですか。それは奇抜すぎる。少々あそこの先生かぶれですな」
大寺警部は、向こうでメモのページをめくっている帆村の方へ、ちらりと目を走らせた。
「そうなんだ、帆村名探偵かぶれなんだ」
検事はにやにや笑った。そのとき帆村が、ぴょ
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