、空中から司令部の電波をキャッチしようと、回路を受信側に切りかえ、受話器を耳にかけた。
波長帯は、三十五ミリ前後であった。
波長を合わしたところ、そのあたりは、はげしい空電で混乱していた。
この短い波長帯に、空電はおかしいと、気がついた私は空電を波型検定用のブラウン管にかけてみた。
すると、愕《おどろ》くべきことが分った。
その空電は、自然現象の空電ではなくして、人間が作った空電であった。つまり、総司令部の波長帯を妨害して、通信をさせまいと努めている者があるのである。
私は竦然《しょうぜん》とした。
総司令部の波長帯が知られてしまい、そこに妨害電波が集中しているとすると、これは只事ではない。
(ひょっとしたら、わが総司令部の上に、最悪の事態が襲来したのではなかろうか?)私は、非常な焦燥を感じた。
鬼塚元帥が予感したとおりの、最悪の事態が早くも来てしまったに違いない。
(これは困った。どうしたものだろう)と、私は痛むこめかみを抑えて、最善の処置について、考えこんだ。
そのときであった。受信機についている高声器から、とつぜん、電話が鳴り響いた。
「――本鑑ノ左舷前方十五度
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