。黒馬博士の殊勲に対し、余鬼塚元帥は、深甚《しんじん》なる謝意《しゃい》と敬意とを捧ぐるものなり」
「ああ、そうだったか。あのX大使というのは、金星超人だったか。なるほど、それでこそ、四次元振動を起して、風の如く鉄扉を越えて闖入《ちんにゅう》してきたり、それから、私に四次元振動をかけて、ユーダ号へ連れていったり、魔術のようにふしぎなことを、やってみせたのだな」
 四次元振動は、一種の魔術だ。米連艦隊の主力艦オレンジ号が、いきなり宙吊《ちゅうづ》りになったり、それから、艦体の半分が見えなくなったりしたのも、四次元振動を使って、人間を、あっと愕《おどろ》かすのが目的だったのだ。
 それを諒解《りょうかい》するには、こんなことを考えてみるがいい。
 平面の世界――いわゆる二次元世界に住んでいる生物があったとする。つまり、一枚の紙の上が、彼等の世界であったとする。今、彼等より一次元上の生物、たとえば人間の如き三次元生物が、傍《そば》へやってきて、その一枚の紙を手にとり、それを、いきなり二つに折り畳んだとしよう。すると、紙の両端だと思っていたところが、一瞬間に、互いに重《かさな》り合うだろう。両
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