とも、ベトンを越えて日本要塞内に入ることを許されず。すなわち、黒馬博士は、戒厳令中、日本要塞より締め出されたる状態にあり、乞《こ》う諒解《りょうかい》せよ」
「なんだ、私は、祖国日本から、締め出しをくったのか。こいつは、けしからん」
オルガ姫は、先を読みつづける。
「――されど黒馬博士よ。貴下の勲功《くんこう》は偉大なり、貴下は、救国《きゅうこく》の勇士なり」
「えっ、私が救国の勇士だというか」
「――貴下は、或いはクロクロ島を操縦し、或いはまた三角|暗礁《あんしょう》に赴き、或いは魚雷型潜水艇を駆《か》って東西の大洋を疾駆《しっく》し、そのあいだ、巧みに金星超人X大使を牽制《けんせい》し、X大使の注意を建設進行中わが日本要塞の方に向けしめざりし殊勲は、けだし測《はか》り知るべからざる程大なり。もし貴下がX大使を牽制せざれば、X大使は、必ずわが本土に近づきたるべし。わが本土に近づけば、未完成のベトンを浸透して、国内に侵入し、わが要塞建設を察知すべく、よって直ちに金星へ通信し、金星大軍は、時を移さず、わが本土内に攻め入り、ひいては地球の大敗北を誘致するに到りたるものと想像し得らるるなり
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