るわけのものではないが、それにも拘《かかわ》らず、催促しないではいられない。私は、元帥が、なにをいって来たか、早く知りたくて仕方がないのだった。
「はい、解読を終りました」
「そうか。じゃあ、始めから、読んでくれ」
私は、胸をおどらせて、オルガ姫が、どんなことを読みあげるかと、それを待った。
「では、読みます。――鬼塚元帥は、黒馬博士|坐乗《ざじょう》の魚雷型《ぎょらいがた》快速潜水艇を認めて、博士の健在を大いに慶祝するものである」
「おお、そうか。想像していたとおり、やっぱり、鬼塚元帥からの通信だったか。それで、どうした。先を読め」
「――わが敬愛する黒馬博士に対し、甚《はなは》だ遺憾《いかん》なることなれども、余は博士を、当分の間、わが日本より閉め出すの已《や》むなき事態に至れることを、謹《つつし》みて通告する次第である」
「なに、日本より閉め出すというのか。オルガ姫、その先を……」
「――何故に、かくの如き手段をとるに至りたるかについては、余はその説明に、非常なる困難を覚ゆるものにして、まず劈頭《へきとう》において、わが日本国が、海面沈下《かいめんちんか》したることを告ぐるなり
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