しぎだ、ふしぎだ」
 私は首をふった。
「オルガ姫とにかく東京までいってみろ」
「はい」
 東京へいっても、おそらく同じことであろうと思ったが、東京へついてみると、やっぱりそうであった。見えるのは、すべすべしたベトンの背中ばかりであった。
「ふうむ、やっぱり同じことだ。オルガ姫、艇をこのまま沈ませて、しずかに、あのベトンのうえにつけよ」
「はい」
 艇の底は、まもなく、ベトンの上に触《ふ》れた。微《かす》かな反動があった。
「しばらく、ここで休むことにしよう」
 私は、ここでしばらく憩い、最前《さいぜん》から解き切れない謎を、どうにかして、ここで解いてしまうつもりであった。
 さあ、一体、祖国日本は、どうしたというのであろう。
 私の観察したところによると、感じからいうと、日本の陸地が、化石《かせき》になって(陸地が化石になるというのはおかしい云い方だが)、そして海底にしずんでしまったとでも云い現わしたいところだ。
 その一方において、富士山がなくなり、その代りでもあるように、紀伊《きい》水道が浅くなってしまって、ベトンの壁が突立っているのであった。一体、どういうわけであろう。
 わか
前へ 次へ
全156ページ中136ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング