放言して、姿を消した。
 人間でなければ、彼は何者ぞ?
 四次元世界の生物?
 或いは、四次元世界へ跳躍することを会得《えとく》した超人であるかもしれない。
 しかし、今のところ、彼はわれわれ日本の側に立って力を貸しているが、それが、私にとって最も合点のいかないところであった。


   東京湾いずこ――空前の大激戦


 世界情勢は、三転した。
 米連対欧弗の戦争|勃発《ぼっぱつ》が伝えられ、それが再転して、両国の握手となり、極東に対して共同作戦をとると見えたが、今また三転して、再び米連と欧弗とは、険悪なる関係に投げこまれ、すでに両軍の間には、激戦が展開されているようであった。
 この間に立って、私は、何をしたらいいのであろうか。
 私は、しばし静思をしたが、そのとき忽然《こつぜん》として、脳底にうかび上ったのは、祖国日本の安否であった。
 さきに、祖国との通信は、とつぜん杜絶《とぜつ》してしまったのであった。あれほど、自分と堅い約束をした鬼塚元帥さえ私の電波に応じて、答えようとはしなくなった。しかも祖国から発せられる各種の電波信号は、悉《ことごと》く何者かによって、妨害されていた。
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