う。では元の場所へかえしてあげよう”
そういったかと思うと、私は又、きつい目まいに襲われた。そして数秒後、その目まいが去ったとき、私は再び元の三角|暗礁《あんしょう》内の一室に戻っていたが、目の前には例の怪しい姿をしたX大使が、厳然《げんぜん》と立っているではないか。
私は、はっと夢から覚めたように感じた。
「黒馬博士。どうも、ご苦労だった。君は、なかなかうまくやってくれたので、わしは悦《よろこ》んでいる」
「いやあ、ご挨拶《あいさつ》、いたみ入る」
と、私は、くすぐったい返事をした。
実をいうと、私はあまりいい気持ではなかった。虎の威をかる狐という悪口があるが、それと同じ事をやってきたのだ。まことにやむを得ないことではあったけれど。
「X大使、これから、どうなるのかね」
「どうなるって、君の心配しているのは、米連主力艦隊のことであろう。うむ、いよいよ米連側は、高角砲をもって火蓋を切りだしたよ。おお、三千機の超重爆機から成る欧弗同盟のアフリカ第四空軍は、今、異常なる混乱に陥った。おお、空中衝突だ。不意うちをくって、空軍の損害はなかなか大きいぞ。いや、陣形がかわってきた。いよいよ
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