たまるか」
「おや、君はへんなことに腹を立てるではないか。――いや、日本人が使役されることを好まなければ、余は彼等を海の中になげこむばかりだ」
「云ったな」
 私は憤然として、提督の頬桁《ほほげた》をなぐりとばした。私は、もはやこれ以上、日本民族への侮辱にたえられなかったのである。


   苦悶《くもん》する米提督――欧弗同盟軍に砲門は開けない


「おお、では君は、日本人だったのか。なぜ初めから、そのとおり姿を見せてくれなかったのか」
 提督は、非常な驚愕《きょうがく》を示して、椅子から立ち上った。そして、呻《うめ》くように、
「おお、日本人、たしかに日本人だ。……」
 と云って、手で自分の眼を蔽《おお》う。
 私は悟った。私の姿が、提督の前に現われたのだ。それは全て、X大使の余計なおせっかいであった。このへんで、私の姿を、ピース提督に見せてやろうと考えて、いきなり実行したのであろう。私には何の相談もなかったのだ。私は結局、傀儡《かいらい》である。X大使の手によって、勝手にうごかされている人形でしかない。私は口惜しかった。だが、どうすることもできない。なに分にも、相手は四次元の生物
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