っていた五、六本の鎖が、まるで紙撚《かみよ》りが水にぬれて切断するかのように、ぷつんぷつんと切れた。わが艇は、舳を下にして、真逆さまになった。
最後に、尾部に懸っていた二本の鎖が切れて、四本の鎖となって、びーんと跳ねあがった。
「深度四十、四十二、四十四、……」
オルガ姫の声は、忙しい。
「ありがたい。敵の手を放れた!」
私は、躍り上りたいくらいの悦びを感じた。
「エンジンをかけろ。深度五十で喰いとめろ」
私は、つづいて命令を発した。
「エンジン、駄目です。故障を起していて、もうかかりません」
オルガ姫が叫ぶ。
「ええっ、エンジンが駄目か。それは弱った。じゃあ、わが艇は、これからどんどん沈んで、海底にもぐりこむだけだね。どうかならないか、X大使」
「エンジンをなおすのは、わしには出来ない。すこし複雑すぎるからね」
「でも、折角《せっかく》助けてもらったのに、このままでは、海底で寒さと飢えのため、死ぬばかりだ。どうかして、手を貸して呉れたまえ」
「わしに出来ることは、君の艇を、三角暗礁の埠頭につけることだ」
「そうして貰えば、こんな幸いなことはない。あとは、向うの工作機械をつか
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