、わしに求めるがいい。わしは、ちょっとした交換条件をもって、君たちを全面的に援助するだろう。それを忘れないで……)
と、謎の言葉を残して去ったのだ。私は今、ゆくりもなく、X大使のこの言葉を思い出したのである。
(X大使の救援を求めようか。求めるのはいいが、X大使のいった、ちょっとした交換条件とは、一体どんなことであろうか)
私は、交換条件のことが、たいへん気になったけれど、ここで敵艦に捉《とら》えられるよりはずっとましであると思ったし、死ぬのも残念なので、遂に、前後の考えなしに、X大使の救援を求める気になった。
さて、救援を求めるのはいいが、一体どうすればいいのであろうか。どうすれば、X大使を呼び出すことが出来るのであろうか。
「おーい、X大使。私に力を貸して呉れたまえ」
私は、試みに、そう呼ばわってみた。
X大使の魔力――三角暗礁にもどってこられた
「黒馬博士。君は、とうとう、わしを呼んだね」
X大使の声だ!
全く不意に、私の耳のすぐそばに口をつけて囁《ささや》くように、X大使の声が聞えたのであった。
私は驚いて、顔を横に向けた。だが、そこは艇の冷い鋼鉄の
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