かかっていないだけあって、中は空、何もはいってはいないのである。
「この部屋はだめだね。何もないよ」
「それでは別な部屋を探そうや」
 戸山少年は先に立って、部屋を出ようとするほかの少年をおさえて、廊下の様子をのぞいたが、思えばこれがよかったのだった。
 その時、右がわの三番めの部屋から、谷博士がぷんぷん怒ったような顔をして、ポケットに手をつっこんで出て来たのである。
 もし五人がここで見つかったら、どんなひどい目にあったかも知れないだろう。だが博士は、この部屋に五人の少年が、かくれていることには気がつかず、エレベーターの方へ行ってしまったのだった。
「しまった。みんな、たいへんなことになったよ」
 さすが元気にみちみちた、戸山少年も、その時はぞッとしたのである。
「どうしてなんだい」
「だって、博士がエレベーターへ乗って、上へあがってしまったろう。そして博士が実験室へ出てしまったら、エレベーターは上へあがりきりになるんだから、ぼくたちは帰るわけには行かないじゃないか」
 なるほど、このエレベーターは、ボタンをおすと、ちゃんとその階まで、あがったりおりたりするような、ありふれたものとは
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