さか、いくらX号だといって、消えてなくなるわけはないだろうにね」
この少年たちは、谷博士を、X号の化けたものときめこんでいるのだった。
「いや、きっとどこかに、秘密の抜け穴があるんだよ」
「でも、それなら、なんだよ。壁なり床のどこかに接ぎ目がありそうなもんじゃないか。このとおり、床は厚いコンクリートだし、壁もそのとおり、探すだけ、むだだぜ」
「そんなのあたりまえの考えかたさ。ここの建物は、まるで化物屋敷《ばけものやしき》だから、どこにどんなかくし戸や抜け道があるかも知れないよ」
戸山少年は、あくまで自分の考えをすてようとはしなかった。
だがいくら壁をたたき、床をはい、機械や戸棚のかげや下を探しまわっても、そんな抜け穴は、どこにも発見できなかった。
「とてもだめだよ。もしそんなものがあったとしても、ぼくたちにはぜったいに見つからないようになってるんだろう」
少年たちは、もうすっかりのぞみをなくした様子《ようす》であった。
「ちぇッ、残念だなあ。どこかにあるにはちがいないんだがなあ。むかしのアラビアンナイトというおとぎばなしなら、こうして立って壁へ向かって、何か呪文《じゅもん》をと
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