風間三郎少年と、その仲よしの木曾九万一少年とのことではあるまいか。
 多分それにちがいはなかろう。
 すると、二少年をとりかこんでいるあの甲虫《かぶとむし》ともペンギン鳥ともつかない怪物こそ、これぞ外ならぬ火星人なのだ!
 おお何という奇怪な火星人のすがたよ!
 なぜ火星人は、まるで鳥のような形をしているのであろうか。ふくろうのような大きな目を光らせているのであろうか。なぜ、あのような細い脚をしているのであろうか。あの翅《はね》のようなものはほんとうに翅なのであろうか。
 いちいち考えていくと、いちいちふしぎに思われることばかりである。
 一体火星には生物《いきもの》がすんでいるらしいことはわかっていたが、それがどんな形のものか、知られていなかった。だから今度はじめて火星人の姿がわかったわけである。二少年こそ、はじめて火星人を見た地球人間である。
 もし今、二少年にむかい、お前たちの目の前に立っている怪物こそは火星人だぞと、そっと耳うちをしておしえてやっても、彼らは多分それを信じないであろう。なぜならば、彼らは日頃から火星人もやはり地球人間と同じように、手もあり足もあって、人体と同じ形
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