に傍線]ト、パナマ[#「パナマ」に傍線]運河トヲ結ブ海面附近ニ出動シ、途中ニオイテコレヲ撃滅スベシ。終」
 非常に重大なる任務でした。間もなく日×両軍の主力艦隊が決戦しようという時、この大商船隊がハワイにつけば、×艦隊は岩をふまえた虎のように強くなるでしょう。又その反対に、この大商船隊を撃滅出来れば、わが連合艦隊の作戦は大分楽になります。随《したが》って、この大商船隊を葬るか、それともその商船隊を護《まも》る×の艦隊にこっちが撃退されるかによって、両軍決戦の勝敗がどっちかへハッキリきまることになるのです。
 清川艦長はこのことを一通り部下に説明したのち、一段声を励ましていいました。
「大元帥陛下の御命令により、只今からわが第十三潜水戦隊は、この名誉ある任務を果そうとするのだ。――総員、直に配置につけッ」
 一同はもう一度、万歳を唱えたいのを我慢して、サッと挙手の敬礼をして忠勇を誓いました。誰の顔にも、見る見るうちに、盆と正月とが一緒に来たような喜色がハッキリと浮かび上りました。操舵手は舵機のところへ、魚雷射手は発射管のところへ、飛んでゆきました。


   ×の駆逐艦に見つかる 八門の
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