ンミン島の酋長ミンチも、すっくと立ちあがり、これは破鐘《われがね》のような声で、
「客人よ、お前のいうとおりだ。それでは、いよいよこれからミンミン島の宝であるクイクイの神を、ここへ呼ぶことにするぞ」
といえば、酋長ロロは息を大きくはずませて、
「うむ、待っていたところだ」
と、こたえた。
「おう、奥から、クイクイの神をよべ」
酋長ミンチがこの命令をすると、奥の間から、あやしい返事の声がきこえて、やがて垂幕《たれまく》をわけ、しずしずとあらわれたのは、裸の上に、椰子の枯葉であんだ縄のようなものを、長くたらした奇怪なクイクイの神であった。
クイクイの神
「おう、クイクイの神だ!」
「クイクイの神よ。われにつきまとう悪霊をはらいたまえ」
ミンミン島の原地人たちは、てんでに口のなかでつぶやきながら、クイクイの神にむかって、平つくばって礼をするのだった。
ロップ島の原地人たちは、目をぱちぱちして、この有様を見まもっている。
クイクイの神は、ゆったりゆったりと、広間の中へすすんでいった。頭の毛をぼうぼうと生やし、その頬には、まっ黒なひげをもじゃもじゃとのばしている。へんて
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