がせた。
 兜の下から青白くこわばった太刀川の顔があらわれた。
「あっはっはっは。こわい顔をしているな。おい、太刀川。さっきから、こうなるのを待っていたんだ。積り重る恨のほどを、今、思い知らせてやるぞ」
 リーロフ大佐は、酔った勢いも手つだって、鋼鉄製のスパナーを、目よりも高くふりあげた。
 たくましい水兵たちは、太刀川をおさえつけて、さあ、やりなさいといわんばかりに、リーロフの方へつきだした。


   ケレンコの腹の中


 太刀川は、声もたてず、しずかに瞼《まぶた》をとじていた。
 リーロフが、満身の力をこめて、スパナーをふりおろそうとした時、うしろから、その腕を、むずとつかんだ者がある。
「あ、誰だ。……」
 リーロフは、まっ赤になってどなった。
「リーロフ。なにをばかなまねをする。わしのつれてきた珍客を、お前は、どうするつもりだ」
 司令官ケレンコだった。
 ケレンコは、奥へいって、艦長から報告をきくと、すぐ引返して来たのだ。
「はなしてください、ケレンコ司令官。この太刀川こそ、わが海底要塞にとって、たたき殺してもあきたりない人物じゃないですか」
「そんなことは、よく知ってい
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