った。
「電気の用意ができました」
部下の合図があった。博士は再びヘリコプターの座席へもぐりこんだ。
男装《だんそう》の頭目《とうもく》
それにつづく同じ夜、正確に時刻をいうと、午前二時を五分ばかりまわった時であった。
この六天山塞《ろくてんさんさい》の指揮権を持っている頭目の四馬剣尺《しばけんじゃく》は重傷の戸倉老人と会見することになった。
戸倉老人は、車がついている椅子《いす》にしっかりゆわきつけられたまま、四馬頭目の待っている特別室へ運ばれこまれた。そのそばには机博士が、風に吹かれている電柱のようなかっこうで、つきそっていた。
頭目は、ゆったりと椅子から立ちあがり、カーテンをおし分けて、戸倉老人の方へ歩みよった。
彼の風体《ふうてい》は、異様であった。
四馬剣尺は、六尺に近いほどの長身であった。そしてうんと肥《こ》えていたので、横綱にしてもはずかしくないほどの体格だった。彼はそのりっぱな身体を長い裾《すそ》を持った中国服に包んでいた。彼の両手は、長い袖《そで》の中にかくれて見えなかった。
その中国服には、金色の大きな竜《りゅう》が、美しく刺繍《ししゅ
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