た。
男たちがその大花瓶を、店のほどよいところへおろしてでていくと、立花先生はチャンウーのほうをふりかえり、
「買っていただきたいというのは、これですの。これは父があなたのお国を旅行した際、北京《ペキン》で買ってきたもので、あたしとしては手離しにくいものですが、急に金のいることができましたので……」立花先生は、さすがに恥しそうに顔をあからめ、もじもじしていた。
「なるほど、これは立派な花瓶、値段によっては買いましょう」
チャンウーは花瓶のおもてを、なでたり、さすったりしていたが、ふと、なかをのぞいてみて、妙な顔をして眉《まゆ》をしかめた。
「おや、この花瓶、なかがつまってますね」
「そうなのです。父が買ってきたときからそうなっているんです。だから父はこの花瓶のことを、開《あ》かずの花瓶だなどと笑ってました。が、……きっと、なにかわけがあって、花瓶をつめてしまったのでしょうね」
チャンウーが不思議に思ったのも無理ではない。その花瓶は首のところまでセメントがつめてあって、叩くとコツコツかたい音がした。チャンウーは、しばらく考えていたが、
「いや、これは珍しい花瓶です。しかし、これくら
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