がおおぜい押し寄せてきました。誰か内通《ないつう》したやつがあるんです。抜け道という抜け道は、全部|包囲《ほうい》されておりますぞ」
悲痛な声だった。
首領《かしら》はそれをきくと、思わず青竜刀をポロリと落した。
チャンフーの双生児《ふたご》
六天山塞《ろくてんさんさい》の大捕物《おおとりもの》は、たちまち港町の大評判になった。
何しろ、六天山からカンヌキ山へかけて、三日三晩、焼けつづけたのだから、附近の騒ぎはたいへんだった。
「なんですか。このあいだの晩の、あのものすごい物音は……?」
「あああれですか。あれはねえ、なんでも六天山のなかに山賊《さんぞく》が住んでいたんだそうですよ。それが警官に包囲されたので、山塞にしかけてあった爆弾に火を放ったんだっていいますよ」
「へへえ、山賊がねえ。そして、その山賊はとっつかまったんですか」
「ところが、泰山鳴動《たいざんめいどう》して鼠《ねずみ》一匹でね。つかまったのは雑魚《ざこ》ばかり。大物はみんな逃げてしまったということです」
「それは残念なことをしましたね。しかし、警察も、あれだけの騒ぎをやりながら、どうしてそんなヘマを
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