えは、外国の船員に変装して、黄金メダルを買ったのだ。顔の大きな刀傷は、できるだけ、素顔《すがお》をかえるために、絵具《えのぐ》でかいた贋物《にせもの》だったんだ。どうだ机博士、面白い話じゃないか」
 首領《かしら》四馬剣尺は、大きな腹をゆすってわらった。机博士は、まるでおいつめられた野獣《やじゅう》のような顔をして、三重ヴェールを見つめていたがやがてキーキー声をふりしぼって叫んだ。
「わかった、わかった、わかったぞ」
 細い指を、首領の鼻さきにつきつけると、
「問うに落ちず、語るに落ちるとはこのことだ。チャンフーを殺したのはXだ。そして、Xとは首領、おまえのことなのだ」首領はしかし、せせらわらって、
「バカをいえ。おれがこの大きな図体で、町を歩いていたらどんなに人眼をひくことか……聞いてみろ、チャンフーの店は、野中《のなか》の一軒家じゃあるまいし、隣もあれば、近所の眼もある。横綱《よこづな》のような大男が、あの日、チャンフーの店の近所をあるいていたかどうか、誰にでもきいてみろ」
 自信にみちた首領のことばに、机博士はいっぺんにペシャンコになった。
「それ、木戸、波立二、なにをぐずぐずし
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