相当広い部屋になっているのである。博士はカーテンをおして中へはいった。中は、まっくらだった。
「おやッ。今日は電池灯《でんちとう》が消えている」
そこには、いつもは電池灯がついていて、室内を照らしていた。これは停電に関係なく、いつでもついている電灯であった。それが今日は、運わるく消えている。どこか故障をおこしたのであろうか。そう思いながら、机博士は、鼻をつままれても分らない闇の中を、手さぐりで足をひきずりながら五六歩もすすんだであろうか、そのとき大きなおどろきが、彼を待ちうけていた。とつぜん彼の両《りょう》の手首が、何者かによって、ぐっとにぎられたのであった。
「ほほほ、待っていたよ、博士さん」
闇の中に、たしかに女にちがいない声であった。何者?
おお、猫女《ねこおんな》
「誰だ、君は!」博士は度肝《どぎも》をぬかれて、かすれた声で、やっとこの短いことばを相手にぶっつけた。
「あたしかね。あたしは『猫女』さ。どうぞよろしく」
「えッ、猫女……」机博士のおどろきは、五倍になった。
「猫女が、なぜこんなところに――」
「大きな声をおだしでないよ。上では、あのとおり大ぜいさんが
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