にペシャンコになった。四馬剣尺はしばらく、腹をかかえてわらっていたが、やがてやっと笑いやめると、
「いや、しかし、机博士、おれはやっぱり貴様に礼をいわねばならぬわい。おれは今夜、戸倉のやつがチャンウーという中国人に化けていることを知って、忍びこんで、本物を吐きださせようと拷問《ごうもん》したが、強情《ごうじょう》なやつでとうとう吐きださなかった。それで、ものはためしに贋物で間にあわそうと思っているのだ。これがヘザールからつたわった扇型《おうぎがた》の半ペラ、これは本物だ。それからこっちが、机博士の肩の肉からでてきた、三日月型の半ペラ、こいつはいまいうとおり贋物だ」
と、四馬剣尺がデスクのうえにならべてみせた。二つの黄金メダルの半ペラをみて、木戸と波立二が思わずあっと顔見合せた。
「頭目、そ、その扇型のやつはどうしたのです。それはいつか、猫女めに横奪《よこど》りされたはずじゃありませんか」
木戸の言葉に、四馬剣尺ははっとした様子だったが、すぐさりげなくせせら笑って、
「なに、猫女から取りもどしたのよ。たかが知れた猫女、取り戻すのに雑作《ぞうさ》はないわい。さて、この半ペラをふたつあわすと、われ目も文句もぴったりあう、だから、ここに彫ってあるこの文句は、贋物とはいえ、本物どおりに彫ったにちがいないと思うんだ。みろ、これが苦心《くしん》の末《すえ》、おれが翻訳した文章なのだ」
四馬剣尺が、ふところより取りだした紙片《かみきれ》をみて、机博士は禿鷹《はげたか》のようにどんらんな眼を光らせた。
そこには、こんなことが書いてある。
[#ここから2字下げ、文章は横組み、「三日月型の分」が左側、「扇型の分」が右側に配置されている、罫囲み]
三日月型の分[#「三日月型の分」は太字]
わが秘密を
とする者はいさ
人して仲よく
り聖骨を守る
のあとに現われ
メダル右破片
左の穴に同時
ただちに
強く押すべし
正しく従うなら
らの前に開かれん
扇型の分[#「扇型の分」は太字]
うけつがん
かいをやめ両
ヘクザ館の塔にのぼ
二匹の鰐魚《がくぎょ》を取除きそ
たるそれぞれの穴に金
を右の穴に左破片を
に押入れ、それより
ふたつのメダルを
汝《なんじ》らわが命令に
ば金庫は自ら汝
[#ここで字下げ終わり]
戦闘準備
残虐な悪魔の頭目《とうもく》、四馬剣尺のために、両脚に
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