平面と、マッチ箱らしい立体との三つが書いてある。
 道夫は、雪子からきかれて困ってしまった。
「四次元世界なんて、どんな形だか、てんでわからないや」
「そうなのね。四次元世界はどんな形のところだか、それをいいあらわすことはちょっとむずかしいわけね。なぜむずかしいかというと、人間は三次元の世界に住んでいるからなの。三次元世界の者には、それよりも一つ上の次元の世界のことはわからないわけですものね。たとえば、いま平面の世界があったとして、それに住んでいる生物は、どう考えても立体世界というものが分りかねるの。それは平面世界には、高さというものがないから――高さがあれば平面ではなくなりますものね――だから立体というものを想像することができないの。無理はないわね」
 道夫は、すこし頭が痛くなった。紙の表面だけを考えると、これは平面世界だ。その世界に生物が住んでいるとする。
 その生物には、高さというものが分らない。なぜなら平面世界には、横と縦とがあっても、高さというものがないんだから。
 なるほど、よく考えると、わかる。
「それと同じように、立体世界、すなわち三次元世界に住んでいる者は、それより一
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