そうか。あの通り硝子窓が破れているからねえ」
こわごわその大きな箱の方へ近づいて、目をぱちぱちやっていた刑事の一人が、このとき大きな声でさけんだ。
「あっ、大金庫だ。うちの課の大金庫だ。大金庫が戻ってきたんだ」
大金庫が戻ってきた?
「えっ、本当かな」
これを聞いた課長以下が、そこへとんでいってみると、なるほどさっき失った大金庫に違いない。
「やっぱり、うちの課の大金庫だ」
「ふうん。蜂矢のいったとおりだったね。蜂矢は大金庫がきっと戻ってくるといっていたが……」
よく調べてみると、金庫はほとんどさかさまになり、そして床を大きくへこませていた。厄介《やっかい》なことではあるが、とにかく大金庫が戻ってきたことは何よりありがたいというので、課員総出で力をあわせて、その大金庫をようやくまっすぐにおきなおすことができた。
「さあ、こんどは中身をしらべることだ。重要物件はどうなったかな」
「課長。大金庫の鍵はちゃんとかかっていますよ。この分なら大丈夫です」
「そうか。なるほど、ちゃんと鍵がかかっているな。よし、あけてみよう」
暗号錠と、そうでない錠でひらく鍵と二種類の錠前がつけてあったが
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