裏がえしたりしていたが、
「あッ、ハンカチーフには、名前が書いてある。すみのあとがうすくなっているが、たしかにこれは名前だ」
と、おどろいた様子。
「なんという名前ですか」
「待ちたまえ。ええと、モウリクマヒコと書いてあるらしい」
「えっ、モウリクマヒコですって、ちょっとそのハンカチーフを見せて下さい」
そういったのは、正吉少年だった。
「さあ、よくごらんなさい」
正吉はハンカチーフを見て、顔色をかえた。
「あ、これはぼくのおじさんのハンカチーフです。毛利久方彦《もうりくまひこ》といって、理学博士なんです」
「ああ、あの毛利博士。私も知っていますよ」
とカンノ博士がいった。
「しかし博士は十四、五年前にどうしたわけか行方不明になったままで、その後|消息《しょうそく》を聞いたことはなかった、するともしや……」
博士の声がかすれた。
「すると、この人骨はおじさんの骨なんでしょうか。おじさんは、たしか探検に出かけたまま帰らないといっていましたがこの月世界へ来ていたんですね。しかしおじさんは、なんというなさけない姿になったものでしょう。おじさん、おじさん」
正吉は人骨のそばにひざま
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