だから空気服を全員につけさせるのだ。
点検が行われた。空気服のつけ方が正しいか悪いかをしらべるのだ。もし悪い者があると、すぐつけ直す。そうしておいてやらないと、万一のとき空気服が役に立たない。艇長マルモ・ケンはすぐれた宇宙探検家であるからして、こういう大事なことに、深い注意を払《はら》うのだった。
空気服点検もおわった。全員異状がない。
「着陸用意。全員|部署《ぶしょ》につけ」
ロケットはだんだん高度を下げていった。一たん艇内にたたみこんであった翼を出し、これにも噴射ガスが月の面にあたって、反射してくるのをあて、一種の浮力《ふりょく》としてはたらかせる。その外にも、ガスを月の面《おもて》の前後に叩きつけて、スピードのかわるのを、人体にちょうどいい程度に調節する。
それでも、かなりのスピードが出ていた。雲の海というところは、やや黒ずんだ沙漠であるが、それが艇の下を洪水のように流れていく。
が、ついに艇は、月の面にふれた。とたんにガスの放出はとめられ、艇は滑走《かっそう》で前進する。艇の通りすぎるうしろには、もうもうと砂煙があがって、まるで艇が火災を起したようだ。
やがて艇は停
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