い。皮膚の色はうす桃色と緑色とのまだらで、腹部は白かった。上下一対ずつの四つのヒレがよく働き、まだ身体のわりに小さい丸い尾ヒレはプロペラのように動いた。
このふしぎな魚に対し、カンノ博士は「水棲魚人《すいせいぎょじん》」という名をつけた。
正吉たちが、水棲魚人ともみあっている間に、カンノ博士とスミレ女史は、装置を草むらにすえ、脳波と音波の集録《しゅうろく》をした。
光る円筒《えんとう》
カンノ博士とスミレ女史は、集録してきた水棲魚人のことばと脳波の分析研究のため、艇内の実験室に引きこもった。
複雑な装置を働かせ、めんどうな分析をつづけていった結果ついに博士たちは、予定していた以上の収穫を得た。
ちょうど、正吉が、その部屋へはいったときは、輝かしい結果が出た直《す》ぐあとだったので、カンノ博士とスミレ女史は、疲れ切った顔に、興奮の色を浮かべながら、正吉にこの研究の成功を話した。
「水棲魚人のことばが、分ったんだ。水棲魚人の脳の働きも分った。やっぱり、水棲魚人は、普通の魚ではなく、高等生物だということが分った。おそらくこの水棲魚人こそ『火星人』の正体であろう。つまり
前へ
次へ
全146ページ中129ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング