してとび出した二つのぐりぐり目玉が、しきりに動いた。
「ふーン。あれでも魚かしらん」
 と、キンちゃんは、思わずうなった。
「それは魚にちがいないさ。水の中にすんでいるんだもの。そして、ほらひれ[#「ひれ」に傍点]みたいなものがあるし、顔だって魚に属する顔付きじゃないか」
 正吉が、ひそひそとささやいた。
「そうかなあ。しかし、あの魚はたべられそうもないよ。毒魚じゃないにしても、肉の味がとてもまずいにちがいない。がっかりだい」
 キンちゃんは、たべられないと判定した。
「そうれ、ごらんな。だが、キンちゃん。もっと辛抱して、あの魚どもがどうするか、見ているんだよ。たべないにしても、一ぴきぐらいはつっていこう。おみやげになるからね」
 怪魚は、だんだん姿をあらわしていった。水面からよほど身体をのりだした。なんとなくそれは、その怪物が胸から肩の方まで出したように思われた。しかしその怪魚の身体の下部はどれくらい長いのか、どんな形になっているのか分からないので、胸までのり出したように思うだけであった。
 そのうちに怪魚の数がふえた。二、三十ぴきにふえた。しかもその怪魚たちは、上半身《じょうはんし
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