は大爆発したことだろうと、怪囚人から聞いたことを話した。四少年は、それを聞いておどろいた。そしてその怪囚人のところへ行ってみることになった。
 ところが、どうしたわけか、さっき八木君が開いて通って来た扉が、彼が閉めもしないのに、ぴったり閉っていた。それを開こうとしたが、なかなかあかない。秘密錠《ひみつじょう》になっている牡牛の彫刻があるかと探したが、そんなものはなかった。もちろん鍵穴もない。いろいろとやってみたが、扉はついにあかなかった。
「これはめんどうだ、時間がかかる、あとのことにしよう」
 と、四本がいい出し、ほかの者もそれにさんせいしたので、あとまわしになった。そして五少年は、実験室をしらべる仕事をつづけることになって、そっちへ動き出した。
「あ、あの振子を、あのままにしておくのは、心配だ。振子が動きださないように、縄《なわ》なんかでしばっておきたいが、縄はないかしらん」
 縄はなかったが、細い紐《ひも》が実験室にあったのを思いだした者があって、それをとって来た。そして五少年みんなで力をあわせて、重い大きな振子を紐でむすんで、その紐の他の端を階段の手すりにゆわきつけた。こうしておけば、振子は動かないから安心していられると、みんなはそう思った。
 みんなは、元の実験室へもどった。
 はじめてその部屋を見る八木君は、四本君の話を聞いて、目をかがやかせた。そしてしげしげとこの部屋を見まわした。
「へんだね、その額は……」
 と、八木君がいった。
「ああ、へんだね。絵が切ってあるところが、へんだというのだろう」
 六条君がいった。
「いや、そのことではなくて、切ったカンパスの裏に板がはりつけてあることだよ。板がはりつけてあるなんて、めずらしいことだ」
 そういいながら八木君は、腰かけの上にのって、傾いているその額縁を両手でつかんで裏を見た。
「む、この額のうしろの壁には穴があいているよ。穴の向こうに、部屋があるらしい。やあ、たしかに部屋だ、うす暗いけれど見えるよ」
 四少年はびっくりして、腰かけにあがっている八木君の足もとにかけ集った。

   意外な人

 いったい、それはどんな部屋であろうか。額のうしろの秘密の穴から出入りできる部屋であるから、ただの部屋ではあるまい。
「かまうことはない。どんどん、はいってみようよ」
 少年たちは元気であった。
 そこで額を横へ
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