んだ。待ってくれ、骸骨《がいこつ》の第四号!」
「ふふふふ。そこまで、きみは知っているのか。それを知っていながらわたしのじゃまをするとは、いよいよゆるしておけない。いじわるの人間よ。あとできっとかたづけてやる」
「まあ待て、きみに一つ重大な注意をあたえる。きみを作った針目博士はちゃんと生きているぞ。博士はきみを逮捕《たいほ》するために、一生けんめい用意をととのえている。それを知っているか」
「針目は死んだ。生きているわけはない。でたらめをいうな」
「博士が死んだと思っていると、きみはとんだ目にあうよ。この前きみが浅草公園《あさくさこうえん》の小屋の中で、綱わたりをしていたときに、きみはいつもりっぱに、らくらくとあの芸当《げいとう》をやりとげていた。ところが最後の日、きみは綱わたりに失敗して墜落《ついらく》した。そして茶釜はめちゃめちゃにこわれてしまった」
「それがどうした。過《す》ぎたことが」
「きみは、あの日、なぜ綱わたりに失敗して、墜落したかそのわけを知っているのかい。それをぼくが話してやる。あれはね、針目博士が特殊の電波をもちいてきみをまひ[#「まひ」に傍点]させたんだ。きみは思
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