ところが、モレロが考えたようには、なかなかいかなかった。うまく命中してくれないのであった。そればかりか、とんでもないものに命中してしまった。眠っていた恐竜の鼻に、岩のかけらが、ごつんと命中したのであった。
 さあ、たいへん。恐竜がぐいと鎌首《かまくび》をもたげると、うなり声をあげて怒り出した。仲間の恐竜も目をさまして、びっくり半分、さわぎだした。そこへモレロがピストルをぽんぽんとぶっ放したものだから、さわぎは大きくなった。恐竜は、嵐のような息をはいて、人間どもにおそいかかったのであった。三人は今や最大の危機にさらされた。
 一方、洞穴の中にいちはやく避難した玉太郎にケンとダビット、それから張の四人組の方にも、一大危険がおそいかかった。
 というのは、運のわるいことに潮《しお》がだんだんあがって来たのである。四人のしめていられる場所は、刻々《こくこく》とせまくなって来た。早い時期に外へとび出した方がよかったかもしれない。だが、四人はすっかり疲労しきっていた上に、恐竜の咆哮がおさまるとともに、心のゆるみが一度に出て、四人とも前後もしらず、深い睡りに落ちていったのである。やがて気がつい
前へ 次へ
全212ページ中145ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング