がその前に約束だけは果させてくれ。というのは、僕は君に云いたいことがあるんだ」
「云いたいことがある。有るなら最期の贈り物に聞いてやろう。但し五分間限りだよ。早く云いな――」
「僕はこれまで、かなり君を庇《かば》ってきてやったぞ。君は知らないことはないだろう。最近に玉川で矢走千鳥を襲ったのも君だった。僕が出ていって君を離したが。そのお陰で、君は吸血の罪を一回だけ重ねないで済《す》んだのだ。いや一回だけでない。いままでに君を邪魔《じゃま》して、吸血の罪を犯させなかったことが五度もある。それは君を呪いの吸血病から、何とかして救いたいためだった。……」
「なにを云う。……すると今まで、邪魔が飛びだしたのは、皆お前のせいだとおいいだネ」
 と、悪鬼《あっき》は拳《こぶし》を固めて、青竜王を丁々《ちょうちょう》と擲《なぐ》った。探偵は歯を喰い縛って怺《こら》えた。
「君に悔い改めさせたいばかりに、パチノ墓地からも君を伴って逃がしてやった」
 ああ、すると吸血鬼というのは、もしや……。
「お黙り」と悪鬼は、またもや探偵の胸を殴《なぐ》った。探偵はウムと呻《うな》って悶《もだ》えた。
「僕には君の正
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