自失してはいけない。
◯火事になりそうなものを早く消し、道路上のものは放っておくがよい。
◯漏光があったのを、敵が投弾目標にしたことは明白。
◯手を負傷した者まで担架で運ぶのはどうかと思う。
◯カンフルばかり医師はうつ。
◯焼夷弾の座金に直撃されて負傷した者が続出した。自分は幸いに助かった。(コンクリート塀のうしろにかくれた為、あとで考えるとこれがよかった)
◯墓地だけに八十発おちていた。
◯焼夷弾のカゴの大座金は、厚さ二センチ位の大きい丸盆の大きさ。二階から屋根をぬいて階下におち、あるいは平屋《ひらや》の屋根を通って床下にまで落ちる力があるという。
◯火がピラピラ見えているうちに、実弾の方はすでに下に落ち、ぱあっと発火する。
◯時限装置らしきものも落ちていた。
※
◯昨夜吉岡専造[#朝日新聞社カメラマン。一九四二(昭和十七)年に海野が海軍報道班員として従軍した際、共にラバウルに]君が来てくれ快談中、第二の珍客山田誠君が来宅。その山田君の家は玉川|等々力《とどろき》。この前の投弾のとき、山田君の隣組だけは投弾なく、周囲の全隣組に落下した由。
◯二軒建の家の一方では八発の焼夷弾
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