日本人大衆。
◯昨日は選挙。東京二区は三名連記である。友人作家の石川達三君と、社会党の三軒茶屋の鈴木茂三郎氏と、自由党の東洋経済新報社長の石橋湛山氏とに投票した。
◯晴彦は去る九日首尾よく都立十二中(千歳中)の入学試験に合格した。英と共に心配半歳、漸く芽出度《めでたく》解決して、ぐったりと疲労を覚えた。
◯原稿料は封鎖支払だと大蔵省は決めた。そして各社は封鎖小切手ばかりをよこす。まことに張合のないことである。一方、われら自由職業者へは一ヶ月五百円を封鎖より下ろすことが出来るのと、家族六人につき八百円(今月からは六百円に減少)とを下ろすのと合計千三百円で生活をしなければならぬが、迚《とて》もそれではやりかねる。客が来れば煙草も出さねばならぬし、茶もわかさねばならず、原稿用紙を買い、速達料を払い、炬燵《こたつ》を電気でやるなど、皆、新円にてするしかない。しかも向うから貰うものが悉《ことごと》く封鎖ではかなわない。
 そうなると人情で、どうも書くのに張合が出て来ない。
 そのうちにぼつぼつ新円でくれるところが出て来た。一部を新円で、他を封鎖小切手でくれるところもある。何千円也の封鎖小切手を貰
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