、今さら驚くに当たらない。日本がサクラの爆薬をもち、風船爆弾をくり出し、特攻隊を有するのに対し、アメリカはB29だけというわけにも行くまいではないか。もともとアメリカは科学技術について一流の国であり、近来はそれを世界一の水準にあげるべく努力して来たわけで、現在その実力はほぼこの目標近くに達している。そういう敵アメリカが、今まで新兵器を出さなかった事はふしぎなくらいである。
 新兵器は一応恐るべき力を発揮するが、それは出現の最初の時期だけと、それについての宣伝力の及ぶ或る期間だけのことである。その対策がとられ、人々が用心深くなり、その結果被害がだんだん減少して来ると、その新兵器の実力以下に評価される時代が必ず出てくる。
 V一号[#ドイツの開発した、有翼のロケット爆弾機]出現当時のロンドンその他の混乱はたいへんなものであったが、それの対策が出来ると共に、市民は平静さをとり戻し、被害は少なくなった。わが特攻隊の出現は敵陣を大恐怖せしめたが、今ではいろいろの対策がとられて、或る程度の効果をあげている。すなわち特攻隊の通路に三重四重に戦闘機隊の網をはる事、弾幕を完全なものにするため船舶の対空砲
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