かねて座席を立つと両学生の間へ顔をつき出した。
「たいへん御両所とも討論にご熱心のようですが、ひとつ僕も中に入れていただいて、乾杯といきましょう」
僕は給仕を呼んで酒を注文した。
ダリア嬢とトビ君とは、僕が顔を出すと、顔を見合わせて、すっかり黙りこんでしまった。そして給仕が酒を持って来ると、両人は席からはじかれるように立った。僕が声をかけるのも聞かずに、両人はどんどん帰ってしまった。
僕は、あとにいやな気持ちでとりのこされた。
なにかが両人の気持ちを悪くしたにちがいない。しかしそれがなんであるかについては、僕にはさっぱり心あたりがなかった。
同伴していたタクマ少年は、分かりませんと答えた。
なんだか気持ちが悪い。
劇場がはねると、僕はタクマ少年に送られてホテルに帰った。
僕は部屋にひとりとなった。やがて僕はベッドの上に横になった。
すぐには寝つかれなかった。昼間からの、あまりにも多いいろいろの刺戟的《しげきてき》な出来ごとを、それからそれへと思い続けていくと、ますます眼がさえて来た。
それにしても、辻ヶ谷君が僕を時間器械でよびもどしてくれないことが不審《ふしん》で
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