。執念《しゅうねん》ぶかい野郎だ」
「へんだなあ。たしかにぶち殺して、手足も首も、ばらばらにしてしまったはずだが……」
「わたしは、なんだか気味が悪くなって来たわ」
「あの人がいっているとおり、神さまはあの人の方についているようね」
 そんな声が僕の耳にちらちらと、はいった。どうやら相手の中に、軟化《なんか》のしるしが見え始めた。が、安心するのは、まだ早かった。
「こいつは悪魔だ。もっと徹底的に叩きつぶさにゃ駄目だ」
「執念ぶかいやつ。やっつけろ」
「やっつけろ」
 オンドリは気が変になったようになって、僕におどりかかった。暴漢たちが、それに続いて僕へのしかかる。
 僕は息がつまってしまった。
 が、僕は四度五度と、死にかわり生きかわり、彼らの目の前に姿をあらわした。そしてそのたびにまずまっ先にオンドリを見つけて彼の肩を叩くことにした。
 オンドリは、始めの慓悍《ひょうかん》さをだんだんと失ってきて、次第にむずかしい顔付をするようになった。九回目には、彼は大きな恐怖の色をうかべて、死んだようになってしまった。僕は、そのそばへ行って介抱《かいほう》をしてやった。そして、こういった。
「も
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