、僕の行手《ゆくて》にあたって、また別の土塊がむくむくと頭をもちあげた。一つではなかった。五つ六つ――いや、その数はぐんぐんふえて、十四五にもなったであろうその土塊は、まるでダンスでもしているように上下左右にゆれながら、僕の行手を完全にふさいでしまったのである。
このとき僕は、それまでに聞いたことのないあやしい音響を耳にした。
トロ族
僕は当惑《とうわく》の絶頂《ぜっちょう》にあった。
むくむくと、土饅頭《どまんじゅう》のような怪物が、僕のまわりを這《は》いまわる。
へんに耳の底をつきさすような怪音が、だんだんはげしくなる。始めはそれが何の音だか見当もつかなかったが、そのうちにあれは怪物どもがさかんに喋《しゃべ》り合《あ》っている声ではないかと思った。どうせ僕のことをやかましく喋り合っているのだろう。
僕は立往生《たちおうじょう》をしていた。そして怪物どものさわぎを、見まもっているしかなかった。
が、そのうちに気持ちが少し落着いて来た。あとはどうにでもなれと、はらを決めたせいであろう。
「もしもし、トロ族君たち。いつまでも僕のまわりを走りまわらないで、話がある
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