大島の海岸にうちあげられ、大破《たいは》した。また乗組員の半数が死傷した。
 この奇竜丸の救援に赴《おもむ》いた官憲は、はからずも、この船の構造や、乗組員の様子に疑惑《ぎわく》を持ち、厳重に取調べた結果、この船こそ怪賊|烏啼天駆《うていてんく》の持ち船だと分り、そして天罰《てんばつ》とはいえ重傷を負っている烏啼を、遂に他愛《たわい》なく引捕《ひっとら》えた。
 このことは早速東京へ無電で連絡され、田鍋課長は再びこの大島へ急行して、烏啼を受取った。
 烏啼はもう観念したものと見え、すべてをべらべらと喋《しゃべ》った。
 彼の行動は、大体帆村の推理したところに一致していた。しかし烏啼がその後秋草と争って、遂《つい》に猫又もお化け鞄も共に自分の手に入れ、それを奇竜丸に持ち込んだばかりか、秋草の自由を束縛してこの船に乗せてしまったことが分った。それから後はずっと海上生活をしていたものだから、この二人の行方は陸上を監視していただけでは知れなかった筈《はず》である。
 その烏啼は、海上生活を送りながら、なんとかして大島へ上陸し、三原山の火口底から例のラジウムを取出そうと、機会の来るのを狙《ねら》っ
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