たとき、放射線の強さは最大となるから、そのとき悪漢一味は電波を出して、あの靴の下に仕掛けた浚渫機を働かせる。つまりごっそりと、ラジウムの容器を、あの浚渫機の爪《つめ》の間にさらえ込むのさ」
「ふうん、なるほど」
「それからこんどは、例の猫又の力を借りて、人形ごとずっと上へ浮き上らせるわけなんだが、僕にも分らないのは、重力消去装置の力を借りる必要のあるラジウムの隠《かく》し場所とは一体どこなんだか、見当がつかないんだ」
「はてな、一体どこなんだかね。そういうへんな人形の力を借りなければ取出せない場所というと……」
田鍋課長にも、全く見当がつかなかった。
椿《つばき》の咲く島
椿の花咲く大島の岡田村の灯台《とうだい》のわきにある一本の大きな松の木の梢《こずえ》に、赤革のトランクがひっかかっていた。
それを発見したのは、早起きをして崖《がけ》っぷちで遊んでいた官舎《かんしゃ》の子供たちだった。それからみんなに知れわたって、騒ぎは絶頂《ぜっちょう》に達した。
「誰があんな高いところまで登って、鞄をくくりつけでいったろう。不審《ふしん》なことだ」
まことに不審の至《いた》り
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