令は、上の人と相談を重ね、その結果、早くも翌々日には、臨時宇宙戦研究班というものが、この航空隊の中にできた。そして班長には、有名なる戦闘機乗りの大勇士である左倉少佐が就任した。
班には班長以外に、四名の士官がつとめることになった。もちろん山岸中尉もそのひとりであった。
またその外に、班員として若干名が採用されることとなり、帆村荘六もこれに加わった。それから意外にも、熱血児の児玉法学士も志願して、その一員にしてもらった。
下士官が十名、兵員が八十名。
山岸中尉の弟の山岸少年と、その友達の川上少年の二人が、これも志願して班員となった。二人とも電信が打てるので、通信を担当することとなった。
この研究班の設立は、各方面へいろいろの反響を起した。
国内では、これを待っていましたとばかりに歓迎する者もあったが、多くはこの奇妙な部門が、なんのことだかわからず、けんとうちがいのことをのべる者が少くなかった。
一部にはつよい反対意見もあった。まだ敵アメリカを屈服させておらず、今もなおときどきアメリカ空軍が内地爆撃をやる有様である。そういう折から対アメリカ戦の結末をつけずに、宇宙戦の準備にか
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