空気のもれているのは、尾部に近い左下の部分だとわかった。
「機長。空気の漏洩《ろうえい》箇所は尾部左下です。いま調べてなおします」
「よし、了解。おちついて頼むぞ」
「大丈夫です。さっきはちょっと失敗しました。でも、ちゃんと『魔の空間』から離脱できたじゃないですか。われわれは大冒険に成功したわけですよ」
 尾部の方へはいっていきながら、帆村は元気な声で言った。
「竜造寺兵曹長。見張につけ。敵の追跡に注意して……」
 そうだ。ミミ族はどうしたろう。ゆだんはならない。
「はい」
 兵曹長は、山岸少年に助けられながら、のぞき窓の前の席についた。
「兵曹長。苦しいですか」
 と、少年は聞いた。
「いや、体が思うように動かぬだけだ。目はよく見える。心配はいらん」
 だが兵曹長は、よほど苦しいらしく、歯をくいしばって、額を窓におしあてた。

   かがやく大地

 艇の尾部へもぐりこんで、空気のもれるところをさがしにいった帆村は、なかなかもどってこなかったし、報告もしてこなかった。
 艇を操縦している山岸中尉は、弟に命じて連絡にやらせた。
「機長」
 兵曹長が叫んだ。
「おい」
「見張報告。右舷上
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