と、山岸中尉は待ちかねていた。兵曹長を救うことはわけなしだと聞いて、中尉のよろこびは大きかった。
そこでいよいよ脱出準備にかかることとなったが、ミミ族がここへ食事をはこんでくるのが十三時だから、そのすぐ後で、爆弾を正面の壁のところへはこぶこととした。
あとはなにを何時何分にすると、くわしい時刻表をこしらえて、三人は手わけしてそれを持った。
ミミ族はいつもの三人づれで、十三時にちゃんと食事を持ってきて、すぐ帰ってしまった。なにも知らないらしい。
いよいよ決行だ。
うまく脱出に成功するか、それとも押しもどされるか、こなみじんになるか。
今となっては一ばん気になることは、噴射艇のエンジンをかけて、燃料をたきはじめてから、全速力で出発するまでの時間のことだ。これはどんなに手際《てぎわ》よくやっても三十秒はかかるのである。この三十秒のうちに、ミミ族に発見され、そして出発をさまたげるような手段をとられたら、せっかくの計画もだめである。
が、そんなことを、いまさら心配していてもしようがない。こうなったら、腹をきめて、さらりとやってのけるのがいいのだ。
帆村は山岸中尉とともに力をあわせ
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