はなにもはいっていなかったんだろうか……」
「それはもちろんはいっていました。『魔の空間』を動かす一種のエンジンも備えつけてあるし、またミミ族も何十名か何百名か、その中にいたにちがいありません」
「それはおかしいぞ、帆村班員」
と、山岸中尉は目をかがやかし、
「その空間に、エンジンだの、ミミ族たちがいたのなら、横からすかしてみて、かならず形か影かが見えるはずである。しかし私は、そんなものを見なかった」
山岸中尉のいうことは、もっともに響いた。白根村に落ちた「魔の空間」が、空《から》っぽであれば、透きとおって見えるかもしれないが、その中にエンジンがあり、ミミ族がいたのなら、かならずその形か影が見えるはずだ。これには帆村も答弁することができないだろうと思われた。だが帆村は答えた。
「ところが、実際はエンジンもあり、ミミ族もいたのです。しかしそれがあなたがたの目に見えなかったというのもほんとうのことでしょう。これにはわけがあるのです。むつかしい理窟ですが、ぜひわかっていただかねばなりません」
と、帆村は力をこめていうと、山岸中尉と山岸少年の顔をじっと見つめ、
「そのわけというのは、その
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