のようだった彼の顔色が目の下あたりからぽうっと赤くなりはじめ、彼の目が生々と光ってきた。
「どうした、帆村班員」
三度、山岸中尉は帆村にきいた。
「ああ、機長……」
帆村は山岸中尉の顔を仰ぎ、それから山岸少年の方を見、なおあたりをぐるぐると見廻した上で、ほっと息をついた。
「遅かったね。なにをしていたのか」
「はあ」と、帆村は喉《のど》をなでながら、
「できるだけ『魔の空間』を偵察してきました。報告することがたくさんあります。第一に、生きている竜造寺兵曹長の姿も見えました」
「えっ、竜造寺に会ったと……」
「そうです。兵曹長は、狭い透明な箱の中にとじこめられています。胸に重傷しているようです」
「ふうん。助けだせないか」
「いま考え中です。話をしたかったが、監視が厳重で、そばへよれませんでした」
「そうか。ではおれが助けにゆく」
「まあ、お待ちなさい、機長。まだお話があるのです。彗星一号艇の乗組員に会いました」
「えっ、一号艇は無事か」
「艇は無事だそうです。私は児玉法学士に会って、それを聞きました」
「望月大尉は健在か」
「はい、大尉も、電信員の川上少年も、軽傷を負っているだけで
前へ
次へ
全162ページ中109ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング