ている全島爆破の導火線を切ってまいります」
 そういいすてて、帆村探偵はすぐ走りだしました。
「おい、帆村君、待て」
 とさけんで、そのあとを追いかけたのは小浜兵曹長でした。
「君ばかりはやらぬ。俺も共に行く」
 そういっているときでありました。天の一角に、ぶうんと怪しい物音。まるで腸《はらわた》をかきまわすようなその怪しい音は、まさしく怪塔ロケットがこっちへ飛びもどってきたらしいのです。塩田大尉ははっとして、
「おい、小浜兵曹長、それから帆村探偵もこっちへかえれ、もう丘の上へ行っているひまがない。早く飛行機にのれ。おい、はやくこっちへ帰ってこい」
 と、さけびました。
 大尉の命令がでたのですから、もう仕方がありません。二人とも廻れ右をしてかえってきました。
「あれをみよ。怪塔ロケットがこっちへ近づくぞ。はやく飛行機へのりこめ。下手をすると、滑走しているうちに、この島が爆破するかもしれない」
 塩田大尉の命令一下、全員は攻撃機にのりこみました。小浜、帆村の二人は、二番機に席をあけてもらって、そこへ乗りました。プロペラは廻る。三機の攻撃機は、編隊もあざやかに地上を滑りだしましたが、その
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