くうって、相手の飛行機や軍艦がどうかならぬはずはない。たちまち赤い焔《ほのお》をあげてとけだすとか、うまくいけば、一ぺんに爆発するとか」
「あっ、困った。敵機がすぐそばまでやってきたそうです。いよいよ死ぬか生きるかの戦闘をはじめます。報告はあとからにいたします。ちょっと無電をきります」
「よし、しっかりやれ。わしは懸賞を出そう。飛行機を一機おとせば、二千円やる。軍艦なら一隻につき一万円だ」
 その返事は、ありませんでした。副司令は、日本軍と戦闘をはじめたのでしょう。どうなるのでしょうか。戦に勝つか負けるか、怪塔王は気が気でありません。
「ちょっと至急、おいでをねがいます」
 とつぜん耳もとで、ルパシカ男の声がしました。
「なんだ。モーターをこわした悪者をひっとらえたか」
「いや、そうではございません。あのう、縛っておきました小浜兵曹長がおりません」
「なんだ、あの日本軍人がいないのか」
「それからもう一つ、驚くべきことがございます」

     5

「もう一つのおどろくべきことって、それは一体なんだ」
 怪塔王は、かみつくような顔をして黒人にききました。
「はあ、それは――それは第三
前へ 次へ
全352ページ中287ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング