このとき、主力艦の上を見ますと、甲板の上に、妙な形をした大砲ぐらいの大きさの見なれない機械が、四五台ぐらい並んでいて、いいあわせたように天の一角を睨《にら》んでいるように見えました。それこそ大利根博士が研究していたという話のあるあべこべ砲でありました。
 あべこべ砲は、これからどんな働《はたらき》をするのでありましょうか。
 このとき塩田大尉は、一彦少年とともに、艦橋に立って、前方を見まもっていました。
 刻々と戦闘のはじまる時刻は近づいてまいります。
 そのとき、前衛の飛行部隊がいよいよ戦闘をはじめたという知らせが、無電班へはいってまいりました。

     2

「まだ、モーターはなおらんか」
 怪塔王は、たいへん気をもんでいます。
「はい、もうすこしのところです」
 黒人は、おどおどしながら、こたえました。
「もうすこしか。では、あと三十分ぐらいで出発できるだろうね」
「はい、それがどうも」
「三十分じゃなおらんか」
「ところが、どうも困ったことができまして……」
「なんじゃ、困ったこととは。まだなにかいけないところがあるのか」
「はい」と黒人はいいにくそうに、「いま外のモーター
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